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2023年年頭のご挨拶『戦場に陽は落ちて』

新年、明けましておめでとうございます。

旧年中は年数度に及ぶクレーンメーカーの機械本体の値上げ、純正部品の値上げが無予告、即日実施されたにもかかわらず、お取引各位様より格別のご厚情、温かいご支援やご理解を賜り、誠にありがとうございました。ここに改めまして、指定サービス工場として厚く御礼申し上げます。
そして、引き続くコロナ禍、円相場の乱高下、各種コスト上昇と激動の先行き不透明な景況の中、素晴らしい2023年の新しい景色を皆様と共に無事迎えることができましたこと、大変嬉しく存じます。

さて、本年、お陰様で弊社、株式会社トモエ自工は創業40周年を迎えます。
論語で言うところの「不惑」の歳になりますが、迷うことなく「使命感」という己が信念を貫いて行きたいと思っております。
しかしながら、今、弊社が属する建設楊重業では急激に変更されていくゲームのルールについていけないプレーヤーが続出している状況です。
すなわち、クレーン新車価格の数段階に及ぶ値上げ(現在25t吊りは税込4200万円になります)、長納期化(発注後10か月以上)、各種純正部品の年間3度(都度18%~20%up)の値上げ、タイヤ、ワイヤーロープ、油脂類の値上げ(年間15%~30%)、軽油代の高騰、カミンズ系消耗品価格1.5倍増、働き方改革による年間実働日数の減少、強制有給休暇取得、正社員雇用による会社の社会保険料負担増大、オペレーターの更なる高齢化、消費税10%、等々。これに耐えて、耐えて、耐えて。
建設楊重業界だけ見たら、この一年間でものすごいインフレ率です。
新年早々書いていて暗い気持ちになりますが、このチキンレースならぬ我慢比べの様相において、もし、この戦いに生き残ったとして、その組織を「勝ち組」と呼べるのでしょうか?

私に提案があります。
日本は「失われた30年」と言われ、この30年間、経済が停滞し続けているとされています。
ならば一度、クレーンの一日作業単価を30年前(1990年頃)に戻したらどうでしょう?
30年前、25tの一日の作業料金は9万円(税別)でした。50tは同18万円(税別)。
ミニラフターは7万円(税別)でしたよね。
当時、10t新車価格は1300万円(現在は2600万円)、25t新車価格は2400万円(現在は3800万円)、50t新車価格は4200万円(現在は5800万円)、軽油はリッター80円(現在は150円)、月の稼働日数は25日(現在は22日)、消費税3%(現在は10%)。

作業単価を決めたら談合になるというなら、「トモエ自工の木村という人がそう言っている」で良いと思うのですけどね。私のせいにしてください。

とりあえず、ですよ。それでもまだ安いと思います。個人的には25tは12万円で良いと思います。
建設楊重業の方々は、なぜ、ゼネコンの機材センターや大手ハウスメーカーがラフタークレーンを自前で保有、運用しないのか考えた方が良いと思います。

「作業単価の見直し」を通じ、建設楊重業の従事する全ての方々に明るい未来がありますことを祈念致しまして年頭のご挨拶に代えさせていただきます。

本年もどうぞ変わらぬお引き立ての程よろしくお願い申し上げます。