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緊急コラム『情熱の薔薇』

みなとみらい線「日本大通り」駅から横浜駅に移動した際、駅の構内に家電量販店ノジマ(スルガ銀行と揉め揉め)さんの巨大なポスターが貼られていました。そこには「ノジマは人で買っていただく」とのキャッチコピーが。他の家電量販店との差別化を「人で」ということでアピールしているのです。

家電のような消費財を販売している全国展開の会社が、しかも、社員数1万人を超える業態で「人で」売っているとアピールするのは相当無理があるなと感じつつ事務所に戻ったのです。
そして、パソコンを開くと「加藤製作所 希望退職者の募集について」のお知らせが。

昨年5月に「役員報酬の減額のお知らせ」を、8月に「KATO Reborn Project」(自分で死んでいると認識している)を、9月に「固定資産の譲渡のお知らせ」をH.P上で順々に掲載していく過程をみている頃から、この「リストラ」ありきで進んでいるなとの感覚はあったのですが、やっぱりそう来たか、と。

たぶん、銀行系のコンサル会社から「業務改善及び財務体質強化」の名の元に「経営指導」されているのでしょうが、そんな金融目線の改革案を素直に受け入れていたら間違いなくロクなことになりませんよ。
KATOさんは建設機械という生産財を製造するメーカーです。金融や商社とは本的に時間軸、利益計上の概念が違うはずです。
そして、最も認識すべきはKATOさんこそ「人で買っていただいて」きた会社だということです。
KATO製品はプロダクトアウトで市場に広まったものではありません。一人一人の各地の営業マンとサービスマンが一台一台と手売りしてマーケットインしてきたものです。

僕は10年間、ライバルメーカーの営業職だったので、KATOの社員がどれだけ泥水を飲んできたか、どれだけ血と汗を流してきたか、本当によく知っています。あまりのドブ板営業スタイルを心から憎んでいた時期があったくらいですから。

今回、コストカットの名の元にリストラ敢行です。会社というハード(箱)を残す方策として人というソフト(中身)を切って捨てる手段を選択です。しかも、その切り捨てゾーンが45歳から65歳までの正社員。現社員900名の内、100名の切り捨て御免です。このゾーンの社員の方って何人いるのでしょうか?仮に300名程度だった場合、3人に1人が断頭台送りです。

このゾーンの社員の方々は今日のKATOを作ってきた功労者ばかりであり、至弱の戦いを知る歴戦の勇者、強者たちです。そして、これからのKATOの未来のグランドデザインを描く有資格者たちです。
勤続年数も長いし、これまでのKATOに適応しすぎていて、今更他の仕事で高い付加価値を生み出せるわけがないじゃないですか。

リストラの先には、少数精鋭で「品質で買っていただく」体制でも目論んでいるというのでしょうか?
不可能です。製造している商品がメンテナンスフリーのものではなくナンバーが付いていて日本全国を365日24時間公道走行し作業する性質のものだからです。
今のKATOが目指すべき政策は「雇用を創出する」ものであるべきです。再生するにはリストラは全くの逆方向です。
やり方が分からないのなら電話してきてください。相談料は初回2時間まで無料にて対応してあげますよ。

苦難の時というのはゲームのルールが変わっているのに、それを理解できてない状況でゲームを続けているのです。わずか5年くらい前には「国内シェア No.1を5年連続獲得!」とか言って我が世の春の如く記念品を配って回っていたじゃないですか。

リストラは止めてください。策は無限にあるはずです。それで年間7億円の人件費削減をしてなんになるのですか。くだらん。経営再建するのなら雇用を重視すること、今いる社員に優しい政策をベースにすること、でないと再生しないということに気づいて欲しい。ここは日本であり、KATOは日本の会社です。人(日本人)というソフトが一番の財産であり武器なのです。

今回の経営改善を進めている人から見たら、リストラ対象の社員はドブネズミにしか見えないのかもしれません。でも、憎たらしいけど愛すべきドブネズミたちです。クレーン業界にとって、誰よりも優しくて何よりも温かい心を持っている美しいドブネズミたちです。
この「くそったれ」たちがいなくなるのは本当に寂しいので、2年間くらい無報酬でやってあげますから再生プロジェクトに僕を加入させてください。僕が加入したというニュースが流れるだけで株価が上がるはずです。