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日本女子サッカー代表杯優勝に想う

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私はサッカーを普段、見ない。

かつて、ワールドカップ日韓共同開催の大会時、勤務していた会社の事務所が現在の日産スタジアムの近く、JR小机駅付近にあり、夕方、営業車で駅前を通過した際、あまりの人の多さに「今日は何かのお祭りでもあるのかな。」などと考え、実はその日が決勝戦であったことを夜のニュース番組で知るという「門外漢」ぶりを発揮したこともあります。ちなみに、そのとき「日本VSアルゼンチン」戦は久米宏曰く「日本人の5人に4人が見た」らしいのですが、私は見ていないグループです。

今回、「なでしこジャパン」優勝したらしいですね。朝の情報番組で小倉(フジ系だと思う)がユニホームを着てはしゃいでいたので知りました。ラモスも久々に見ました。「日本人はサイコー」とのことでした。

高校の体育授業であったので、かろうじて「オフサイド」のルールは解る私なのですが、そんなサッカー観戦レベルの私でさえ今回のワールドカップ決勝戦の映像を見て判ったことが二つあります。

一つは、「ここぞ、という時には普段トレーニングをしていることしか通用しない。」ということです。私は本当にサッカーのことは判りませんが、延長戦の後半、アメリカに1点リードされていた状況でのコーナーキックからのセットプレーでの得点シーンを見て「この人たちは、このコーナーキックからの得点するパターンを何百回、いや、何千回も繰り返し練習していたんだろうな」と思いました。偶然に起こったことではないはずです。得点する必然がその瞬間にあったはずです。ものすごく訓練していたことが結果になった。だからあんなに喜んでいるのだと思います。人は偶然の結果ではあんなに喜びません。起こるべくして起こした現象だから、またあの大事な場面で最も練習してきた最も信頼している連携プレーが決まったからです。

サッカーをよく知らない私が、PK戦を制して歓喜する選手達、関係者達をみて喜びより凄みを覚えました。そうです、二つめは「プロとは何か?」ということです。現代の若者はすぐに結果を知りたがります。ろくに訓練もしてないのに何かの結果を出そうとします。基本を知らないのに大技を狙います。基礎が出来ていないのにパフォーマンスをやらかします。根拠の無い自己評価の高さを持っています。若いから「可能性」があると思っています。何ヶ月かやったアルバイト的な仕事で「経験」や「スキル」を得たと勘違いしています。世の中を表面上カジッて、ネットで調べて、勤労で所得を得ようとせず、うまいことやって「損」しないように生きていこうとしています。要するに世の中、舐めてます。

代表の選手たちはこの大舞台で、ひとつの正確なパスをだすために何万回ボールを蹴ったことでしょう。正確なトラップをするために何万回リフティングをしたことでしょう。相手の選手を出し抜くために何万回50mダッシュをしたことでしょう。基本を覚え、基礎の練習を何年繰り返したことでしょう。ものすごいトレーニングを普段、そして長期間やっている。ひとつひとつのプレーから、全然サッカーに詳しくない人間がみてもそれらは伝わってきます。それが「プロ」です。語らなくても伝わる凄みがそこにあります。人はその凄みにこそ感動し尊敬の念を払います。

「なでしこ(撫子)」の花言葉を調べました。花言葉は「純愛」「大胆」「勇敢」「才能」「野心」だそうです。「なでしこジャパン」とは誰が付けたネーミングか分かりませんが素晴らしい名前です。「プロ」とはどうあるべきか、その答えが示されている気がします。人生の中で偶然知り合った職業に感謝し、流星のような一瞬の煌めきを大一番で放つために下積みをコツコツと繰り返す。お化粧では出せない美しさがそこにあると思うな。